これが、エース。
2021/09/28付の週間シングルランキングが発表され、Knightsが2作ぶりの週間1位を獲得した。
目次
【シングル】絶対的エースの証明!5作連続2万越えで首位獲得!
これが、『あんさんぶるスターズ!』の圧倒的人気をけん引するエースの実力だ。シングルランキングでは、Knightsの「Mystic Fragrance」が2.1万枚を売り上げ、週間1位を獲得した。Knightsは前回Liella!に敗れ週間1位を逃していたため、なんと2017年以来4年ぶりの週間1位獲得となった。
その売り上げはもはや別格だ。チケット応募券が付属したことで累計5万を超えた2つの例外を除けば、初動2万枚を超えているのはKnightsだけ。他のユニットとは一線を描く、絶対的なエースの実力を証明する圧勝劇となった。
苦戦するヒプマイの隙を見逃さず勝利掴む!
Knightsのデイリー推移予測・前作比較
| |||||||
火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 週 | |
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Little | 0.7万枚 | 1.3万枚 | 1.5万枚 | 1.6万枚 | 1.8万枚 | 1.9万枚 | 2.2万枚 |
Little | 0.7万枚 | 1.3万枚 | 1.5万枚 | 1.6万枚 | 1.7万枚 | 1.7万枚 | 2.1万枚 |
前作よりわずかに売り上げは下がったが、初動2万枚という最低ラインはしっかりと守り、これでなんと5作連続初動2万となった。もちろんこれを維持しているのはあんスタでもKnightsのみ。あんスタのエースとしての圧倒的人気を裏付ける強さである。
CD売上は3000ほど下がったが、合算のダウンはその半分にとどまっており、CDが下がった分配信が上がっていることを示している。それを示すようにデイリーでも1・2位独占と配信の強さが目立っていた。CDだけで配信が売れないアイドルが増加する中、その両方で強さを見せるKnightsは、まさに本物の人気といえるのだ。
【アルバム】ウマ娘初の頂点!空前絶後の超接戦を制す!
アルバムランキングでは、ウマ娘の『涙ひかって明日になれ!』が1.2万枚を売り上げ、初の週間1位を獲得した。今年社会現象を巻き起こし、様々なランキングで首位を獲得し続けたウマ娘で、唯一これまで一度も縁がなかった音楽ランキングの週間1位の機会。ついに初の頂点に立った瞬間だった。
売上は前作0.7万枚からほぼ倍増。累計4万まで伸ばしたことを考えるとやや物足りない数ではあるが、初動1万枚を超えたのは今回が初である。音楽番組への出演も次々と決まっており、ウマ娘ブームがまだまだ続いていることをしっかり示すことができたのだ。
もはや奇跡の領域、1位から3位の差はわずか『30枚』!!
だが、この首位獲得は決して楽に取れたものではない。実は、ウマ娘はCDアルバムでは週間1位ではないのだ。CDアルバムで週間1位を獲得したのは、リルハピ/FYA'M'の『アオペラ -aoppella!?-2』。アニメイトの集計ミスで日曜に一括加算され、そのまま週間1位を掻っ攫っていった。それどころか、序盤にデイリー1位となった内田雄馬に追いつくことができておらず、CDではなんと週間3位に甘んじていたのだ。
今週のアルバム上位
歌手 | CD | 配信 売上 |
合算 | |||
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売上 | 順位 | 売上 | 順位 | |||
AL | ウマ娘 | 1.13万枚 | 3位 | 0.07万DL | 1.201万枚 | 1位 |
AL | アオペラ | 1.20万枚 | 1位 | - | 1.199万枚 | 2位 |
AL | 内田雄馬 | 1.17万枚 | 2位 | 0.02万DL | 1.198万枚 | 3位 |
だが、配信の差が勝負を分けた。ウマ娘は配信で週間1位を獲得する圧倒的な強さを見せ、内田雄馬・アオペラとの差を一瞬で埋めてしまったのだ。一方、アオペラはCDしか発売しておらず、デジタル加算がゼロ。突き放すことができず追いつかれてしまったのだ。
それだけではない。内田雄馬もデジタル加算によりなんと約1.2万枚まで上昇したことで、なんと1位から3位の差はわずか30枚。CDの時点で400枚差と凄まじい接戦となっていたが、配信の差があまりにも絶妙すぎる物となり、もはや集計誤差レベルの恐るべき事例となった。いうまでもなく、過去でもここまでの接戦は前例などない。もはや、奇跡としか言いようがない首位だったのだ。
【DLシングル】ヒゲダン、LiSA登場まで長期政権をキープか?
一方、デジタルシングルランキングでは、Official髭男dismの「Cry Baby」が0.8万DLを売り上げ、3週連続で首位を獲得。ライバルたちはすべて姿を消したため、もはや追いかけることすらできない完全独走で、ここまで何度も長期政権を樹立してきたが、再び長期間の首位独占状態となっている。
一方、10月中旬にLiSAが2週連続でリリースすることが決定。『ソードアート・オンライン』『鬼滅の刃』という最強レベルのタイアップの連続となるため、そこで連続1位は止まることになる。だが、逆に言えばそこまではずっと1位になる可能性は高いのだ。ただ、アニメが終わったことで売り上げは徐々に落ちてきており、思わぬ伏兵にやられる恐れもある。おそらく最後になるであろう第4次長期政権をLiSA登場まで守り切れるだろうか。
【今週のラブライブ!】Aqours散る・・・奇跡の大記録にピリオド
アニソン史に残る一つの時代が今日、終わりを告げた。Aqoursの28枚目のシングル「KU-RU-KU-RU Cruller!」はオリコン週間6位に終わり、デビュー以来続いていたオリコン週間連続TOP5入り記録がついに途絶えた。
前作まで続いていた27作連続のオリコンTOP5入りはもちろん歴代最高記録。今回もその更新を目指したが、そこまでシングルの全体レベルが高くないにもかかわらず序盤から8位スタートとまさかの低調な出だし。「勇気はどこに?君の胸に!」以来15作ぶりに一度もオリコンデイリーTOP3入りできないなど最後まで調子は上がることはなく、奇跡の大記録にピリオドが打たれた。
まさかの初動1.2万枚、突き付けられた『世代交代』の現実
その初動売り上げは1.2万枚。CD初動に至っては1.1万枚と、これまでのAqoursでは見たこともない低い数字となってしまった。今週の週間5位となったBACK-TICKの初動は1.2万枚。Aqoursの前作初動は1.5万枚だったことを考えると、普通ならオリコン週間TOP5入りできていたのである。
だが、CDでみると前作の3分の2に及ぶ、0.5万枚近くの大幅なダウンとなったことでその命運は尽きた。これは今年発売されたメイングループのシングルで最も初動売上が低かった、Liella!「START!! True dreams」の1.2万枚より低いものであり、圧倒的な強さを誇っていたAqoursとしては信じられない低さである。既に後輩との売上差はほとんどなく、後輩に売り上げを逆転されてしまったのだ。
予兆はあった。前作「DREAMY COLOR」もオリコンデイリーTOP5を維持したものの、その売り上げはAqours CLUB CDとしては前作から0.7万枚も落としていたのだ。さらに7月のライブBDはオンラインライブだったとはいえまさかの0.8万枚と低調となり、ソロアルバムも2年目に入ると大きく売り上げを落としていた。例外的にチケットがついたユニットアルバムは好調だったものの、Aqoursにかかわる音楽作品全て、この1年で売り上げを激減させていたのである。
今のラブライブの主力は、いうまでもなく現在アニメ放送中のLiella!である。これからの時代を担うLiella!を成長させるために注力するのは当然のことではあるが、相対的にそのしわ寄せで先輩であるAqours影響力は大きく薄くなっていたのだ。活動休止で強制的に世代交代を余儀なくなれたμ'sとは違うとはいえ、後輩が活躍すればするほど、どうしても世代交代のイメージは避けられないのだ。そうなれば、やはり売り上げにも響いてしまうのである。
最悪の1万割れは回避、ここからAqoursは立ち上がれるか
それでも、ライブBDのように初動1万枚に届かない最悪のパターンは何とか回避された。CD不況が厳しい今、女性声優やアイドルアニメでも初動万越えを維持できないケースが続出しているだけに、トップの座からははじき出されたとはいえAqoursの人気の高さはまだ決して死んではいないのだ。
もちろん運営もこのままにしておくわけではない。再来週に発売されるベストアルバム『Aqours CHRONICLE 2018-2020』は、1年ぶりにチケット応募券付CDとして発売されるため、今回の売り上げを大幅に上回ることが予想される。チケットに頼ってしまうのはあまりいいことではないが、状況が状況。それですら売れなくなってしまってからでは遅いのだ。
一つの偉大な記録が途切れ、どん底に落ちたAqours。ここから這い上がれるかは、彼女たちの頑張り次第だ。
来週の注目新譜はL’Arc~en~Ciel!
2021/10/05付のシングルランキングで首位を狙うのは、L’Arc~en~Cielの「FOREVER」だ。2011年以来実に10年ぶりのアニメタイアップシングル。8月にリリースされた直前の復活シングルは初動3.4万枚と、ブランクを感じさせない圧倒的な人気で、来週の週間1位筆頭候補となっている。もちろん、ラルクのアニメタイアップCDが週間1位を逃したことは一度もない。10年ぶりに連勝記録を伸ばせるだろうか。
ただ、10年前にはなかった合算シングルランキングでラルクが首位になるかはまだわからない状況だ。同時発売のLiella!の「常夏☆サンシャイン/Wish Song」がダークホースとなっているからだ。先月の復活シングルでもLiella!と直接対決となっており、そちらは合算でも首位となっているが、1万枚の大差だったCDから合算では差を半分以上も縮められ、0.4万枚差と僅差となっていたのだ。
ラルクは8月復活シングルと比べると曲の注目度や発売形態の違いから、売り上げがやや落ちる可能性がある。一方でLiella!は東京公演のチケット応募券となっており、地方公演だった8月のシングルよりチケット目当ての購入が伸びることが予想される。そのため、順位が入れ替わってもおかしくないのだ。はたしてこの頂上決戦を制すのは圧倒的知名度を誇る老舗か、それともフレッシュな新人か――来週の週間1位争いからは目が離せない。