世はまさに、大YOASOBI時代。
2023/10/03付の週間シングルランキングが発表され、YOASOBIがオリコン週間1位スタートを決めた。
目次
【シングル】YOASOBIに不可能なし!チャート完全制圧!
2023年は、まさにYOASOBIの年であった。デジタルシングルランキングでは、YOASOBIの「勇者」が2.6万DLを売り上げ、オリコン週間1位スタートを決めた。歴史的大ヒットとなった前作「アイドル」はまさかのオリコン週間2位スタートだったが、今回は初週から邦楽の頂点に立った。
配信だけでなくストリーミングでも爆発的な再生数を記録し、合算ランキングでもCDで強い大物たちを抑え逆転で週間1位を獲得。前回は後にシングルCDが発売されていたが、今回は来週発売されるアルバムからの先行シングルとなっており、単体でのCD化の予定はない。CDなしというハンデを得意のデジタル力でひっくり返したのだ。
前作すらしのぐ粘り、この秋の王者へ!
YOASOBIのデイリー推移予測・前作比較
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単位:DL | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・週 | |
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アイドル | 1.0万 | 1.7万 | 2.2万 | 2.8万 | 3.4万DL | |
勇者 | 発売前 | 1.0万 | 1.8万 | 2.6万DL |
一方で、初動売上そのものは前作3.4万DLから1万DL近いダウンとなった。ただこれは金曜リリースとなり集計期間が2日間減ったことが原因であり、むしろ今回と同じ3日間での比較では、なんと「アイドル」の序盤3日間を上回っているのだ。
その恐るべき粘りは、金曜→土曜→日曜の減少幅がそれぞれ9割程度と極めて高い水準で粘っていることからもうかがえる。「アイドル」という歴史的ヒットによりYOASOBI自体が大きく注目され、その期待の声にこたえた結果だろう。
秋アニメ頂上決戦、いきなりAdoと直接対決へ
これにより、再びYOASOBIの長期政権になるとみられているが、そこに待ったをかける最強の存在が立ちふさがる。『SPY×FAMIRY』の主題歌「クラクラ」を引っさげたAdoが来週リリースするからだ。Adoも昨年、ウタとして大ヒットを巻き起こし声だけではあるが紅白への出場を果たした。そんな最強のライバルが、YOASOBに真っ向勝負を挑んできたのである。
いうまでもなく『SPY×FAMIRY』もきわめて強力なタイアップであり、かなりの売り上げとなることは確実。Adoは現在最新曲が新たなブームを起こしつつあり勢いに乗っている。YOASOBI撃破で秋アニメの頂点を奪取する可能性はゼロではないのだ。はたして、直接対決を制し覇王の座へかけあがるのはどっちになるのか。
【CDシングル】驚異的安定感でユニゾンが2連覇!
CDシングルランキングでは、UNISON SQUARE GARDENの「いけないfool logic」が1.4万枚を売り上げ、2作連続の1位を獲得した。奇しくも『ニーゴ』『ラブライブ』との三つ巴の争いという、昨年と全く同じマッチメイクとなったが、倍近い大差をつけ圧勝の2連覇となった。
これまですべてのシングルで首位争いを演じてきたユニゾン。安定して1万以上売れる人気により、最近は首位を掴むケースが多くなっている。どのアーティストも売り上げ低下に歯止めがかからない現状、個の安定感はなによりの強みと言えそうだ。
【アルバム】シルバーコレクター卒業!アオペラ初の週間1位!
アルバムランキングでは、アオペラの『アオペラ -aoppella!?-5.5』が0.5万枚を売り上げ、初の週間1位を獲得した。これまでデイリーではオリコンデイリー1位を連発するなど輝かしい活躍を見せていたが、週間ではすべて負けてきたアオペラ。2位になることが多く『シルバーコレクター』の汚名を背負わされたが、その負の歴史に今日ピリオドを打った。
売り上げも前作から大きく回復し、序盤から首位を独走。終盤は粘り切れず首位を明け渡したが、それでも序盤の貯金で逃げ切った。他に強力なライバルはいなかったとはいえ、1位は1位。この成功体験こそ、次につながるのだ。
【今週のラブライブ!】突きつけられた世代交代という現実
これが、時代の流れなのか。前作でまさかのオリコンTOP10落ちと完全敗北に終わったヨハネ。今回は実質的なAqours曲として再起を図ったが、売り上げはまさかの0.6万枚で2作連続オリコンデイリーTOP10落ち。ユニゾン、ニーゴといった強力なライバルたちに全く歯が立たず、デイリー1位すら取れない大敗で散った。
0.6万枚。アニメシングルワーストとなった前作はおろか、『ラブライブ!サンシャイン』のシングルとしても過去ワーストの売り上げとなってしまった。5万以上の売り上げを連発し、年間上位の常連となっていたAqoursの姿は、もうどこにもない。
後輩たちの活躍とは対照的に・・・Aqoursも経験した『世代交代』
一方、今年デビューしたばかりの蓮ノ空は着実に人気を伸ばしており、関連作は出すたびに最高売上を更新。アルバムは2作連続週間1位と絶好調な状態が続いている。その活躍とまるで反比例するように、Aqoursの売り上げは下がる一方だ。これは、既にベテランの域に達したAqoursから、若い蓮ノ空へファンが『世代交代』を起こしていることに他ならない。
それは8年前に自分たちも経験する側であった。μ'sの活動休止により強制的にAqoursへの世代交代を余儀なくされ、多くのμ'sファンはAqoursファンとなっていった。そしてAqoursは成長を遂げ、いつしかμ'sとも並び立てるほどの人気を確立していった。そして今、Aqoursはかつてのμ'sと同じ立場に立っている。μ'sと違い活動休止こそしてはいないが、刻が進むにつれファンが次の世代へ移っていくのは避けられないのである。
本当にスピンオフのせいなのか?Aqoursの未来は
一方、この売り上げ低下の原因はスピンオフである『幻日のヨハネ』だけであり、「Aqoursファンがアニメに魅力を見いだせず買わなかったから」、という声もある。だが、それが『幻日のヨハネ』だけのせいではないことは、ヨハネ以外のAqours関連作の売り上げもそのほとんどが累計1万枚にも届かないという現実が物語っている。
もちろん、どんなに売り上げが低下しても『需要』があると判断されれば作品は続くだろう。ただ、μ'sを強制的に終わらせ、多くの反感を買ったことからもAqoursで同じパターンを踏むとは考えにくい。それでも、ライブの頻度やCD売り上げ低下に歯止めがかからないこともまた事実。これからのAqoursはどうなっていくのか、未来を考える時が来たのかもしれない。
来週の注目新譜は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!
2023/10/10付のアルバムランキングで首位を狙うのは、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の『Fly with You!! 』だ。虹ヶ咲にとって実に2年ぶりとなるナンバリングアルバムはすべてがラブソングというテーマを掲げてきた。6thライブはこのアルバムを元にセットリストが作られるため、予習のためにもファンの購入はマストだ。ここまでナンバリングアルバムはすべて週間1位を獲得しているが、連勝記録更新となるか。明日のデイリーに注目だ。