世はまさに、大アニソン時代!

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2024年度の年間アニソンシングルランキングが発表され、Creepy Nutsが初の年間1位の座に輝いた。それどころか、オリコン総合ランキングでも、Creepy Nutsが年間首位を総なめとした。

史上初の大偉業!Creepy Nuts初の邦楽年間頂点に!



2024年度の年間アニソンシングルランキングが発表され、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が37.4万DLを売り上げ、初のオリコン年間1位の座を掴んだ。さらに、ストリーミング・合算でも年間の頂点となり、自身初の年間3冠を成し遂げた。

既にビルボードランキングでも年間ランキングを総なめとしていたCreepy Nutsが、オリコンランキングも完全制覇を果たした。『マッシュル』主題歌としてリリースされた「Bling-Bang-Bang-Born」がここまでのブレイクを果たしたのは、劇中でも披露された奇妙な踊り『BBBBダンス』。それを人々がこぞってマネをしていった結果、Creepy Nutsを邦楽の頂点へと導いたのだ。

ジャンプアニメ主題歌が3年連続でオリコン年間1位に!

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デジタルシングルランキングの年間1位は、昨年のYOASOBI、おととしのAimerに続いて3年連続。すべてジャンプアニメの主題歌だ。さらに合算ランキングでも、2022年度の年間1位となったKingGnuは『呪術廻戦』の主題歌となっており、なんと主要音楽チャートでジャンプアニメ主題歌が3連覇となったのだ。

『鬼滅の刃』から始まったジャンプアニメ主題歌究極の黄金時代。昨年の紅白歌合戦のアニメ枠がすべてジャンプアニメ主題歌で占められるなど、その勢いは年々凄まじいものとなっている。もはやアニソンの中心はジャンプアニメと言っても過言ではない。年間3連覇は、まさに時代を制した証にほかならないのだ。

昨年王者『アイドル』越えた!勝負を分けた両A面2曲目のヒット

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Creepy Nutsのヒットは、なにかと昨年のYOASOBI「アイドル」と比較されるシーンが多かった。それを証明するように、ストリーミングの年間再生数はほぼ同じ数字となったが、集計期間の長さが決め手となり、昨年のYOASOBIがたたき出した年間5.7億再生をわずかに上回り、5.8億再生で年間1位の歴代最高記録を更新した。

そして驚くべきなのは合算ランキングの総合ポイント。昨年はストリーミングで荒稼ぎしたYOASOBIが227万ポイントと、アニソン初の合算ランキングダブルミリオンで年間の頂点となったが、Creepy Nutsはなんと249万ポイント。こちらも歴代最高記録更新となったのだ。

YOASOBI vs Creepy Nuts 年間チャート指標内訳比較

アーティスト 売上
合算 CD 配信 ストリーミング
2023年度 YOASOBI 227万Pt 6.2万枚 55.7万DL 5.7億回
2024年度 Creepy Nuts 249万Pt 3.3万枚 37.4万DL 5.8億回


しかしながら、内訳をみていくと奇妙な点が浮かび上がる。ストリーミングこそ僅差で勝利したが、CDおよび配信売上は昨年のYAOSOBIの方が倍近くあるのだ。にもかかわらず、合算ポイントは圧倒的な差がついた。ビルボードのように合算ポイントの比率が毎年変化するわけでもないオリコンの合算ランキングで、ストリーミングの差はほとんどないにもかかわらず、なぜこれだけの差がついたのだろうか。


その謎の答えは『両A面シングル』であった。「Bling-Bang-Bang-Born」のCDは、ドラマ『不適切にもほどがある!』の主題歌「二度寝」との両A面シングルとしてリリースされた。これにより、CDリリース後の合算ランキングでは「二度寝」の売り上げも加味されるようになったのだ。

そして『不適切にもほどがある!』も、今年の年間流行語大賞に選ばれる大ヒットを記録。アニソンの頂点に立った『BBBBダンス』のみならず、ドラマの頂点となった『ふでほど』が加わった合わせ技により、YOASOBI「アイドル」を上回る結果となったのだ。

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このように合算ランキングは集計ルール上、両A面シングルが圧倒的有利な状態となっている。上記のように、2022年の年間ランキングは配信ではAimerだったにもかかわらず、合算ランキングはKingGnuだった。AimerもKingGnuもともに両A面シングルだったが、KingGnuは『呪術廻戦』主題歌の「一途」と「逆夢」が両方とも大ヒットしたのと対照的に、Aimerは「残響散歌」のみのヒットにとどまり、EDの「朝が来る」はヒットしなかった。この差が、合算での年間1位を分ける結果となったのだ。

そして今回のCreepy Nutsも、「Bling-Bang-Bang-Born」に大きく水をあけられているとはいえドラマ主題歌である「二度寝」もヒットしたことによりさらに合算を押し上げる結果となった。もちろん、「Bling-Bang-Bang-Born」だけでも余裕の年間1位だったことには変わりはない。あくまで昨年のアイドルを超える一旦となった、最後の一押しに過ぎないのだ。

「オトノケ」も大ヒット!Creepy Nutsが文句なし2024年の顔に

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Creepy Nutsの強さは「Bling-Bang-Bang-Born」だけにとどまらなかった。その後今年2曲目のアニメタイアップとなった「オトノケ」も、現在週間ランキングで1ヶ月以上にわたり首位を独走。1年に二度もヒット曲を生みだし、文句なし今年の顔となった。

Creepy Nutsはこの大ヒットで初の紅白を掴んだ。今年の邦楽の代表として、最高のステージを見せてくれるのは間違いないだろう。2024年は、『BBBBダンス』に始まり、『BBBBダンス』で終わる1年となった。

【CDシングル部門】すとぷり、初の年間1位!

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CDシングル部門では、すとぷりの「はじまりの物語」が25.1万枚を売り上げ、初の年間1位を獲得した。衝撃の上半期1位滑り込みから半年、すとぷりを超えるものは最後まで現れず年間も制した。

ビルボードランキングでは50万枚を超えるなど、すさまじいファンの熱意が伝わる作品となった今作。グループの歴史をアニメ映画とするパターンは近年増えてきており、ヒットシーンへの影響は少なくなかった。元々歌い手としてアニメとの親和性は高かったとはいえ、アニメブームにしっかりと乗った勝利だろう。

【キャラ名義部門】ナナニジ、接戦を制し年間V2!

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キャラ名義部門では、22/7の「YESとNOの間に」が5.2万枚を売り上げ、2年連続の年間1位を獲得した。メンバーの脱退の連続でファンが激減し売上こそ大きく減らしたことにより、上半期1位だった「後でわかること」は今年大ブレイクを果たした蓮ノ空にまさかの逆転を許した。しかし、2枚目の「YESとNOの間に」が大幅に売り上げを伸ばしたことで、なんとか年間トップの座を取り戻したのだ。

それでも、売上は初の年間頂点に立った2021年以降、初めて6万枚を割った。メンバーの脱退による影響はさすがにリリースイベントの数でもカバーしきれなくなり、徐々に落ちてきていることは否めない。なお、デイリーランキングの通り既にAqoursが9万枚を超えるという凄まじい結果を残しているため、残念ながら年間V3の可能性は早くも消滅。それでも、2年後の年間首位を狙っていける人気を保てるかが今後の課題と言えそうだ。

【声優部門】絶対女王は譲らない!水樹奈々3年ぶり年間1位!

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水樹奈々が出すか出さないかで決まる声優部門。今年は水樹奈々の「ADRENALIZED」が1.2万枚を売り上げ、3年ぶりの年間1位に輝いた。売り上げこそ過去ワーストクラスの低さになってしまったとはいえ、やはり出せば水樹の右に出るものはいない。

2024年度アニソン年間シングルTOP10一覧!

タイトル アーティスト 年間売上
1 Bling-Bang-Bang-Born Creepy Nuts 104.4万枚
2 ライラック Mrs. GREEN APPLE 40.3万枚
3 アイドル YOASOBI 30.5万枚
4 晴る ヨルシカ 28.4万枚
5 はじまりの物語 すとぷり 25.0万枚
6 夢幻/永久 -トコシエ- MY FIRST STORY×HYDE 19.5万枚
7 ファタール GEMN 17.5万枚
8 タイムパラドックス Vaundy 16.9万枚
9 オレンジ SPYAIR 14.5万枚
10 勇者 YOASOBI 13.1万枚


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